資産税に詳しい税理士って、本当に少ないんです。
しかも、不動産賃貸経営にまで踏み込んでアドバイスできる税理士となると、
おそらく1%以下じゃないかなと思っています。
私は普段、不動産オーナーの方と関わる中で得た経験をもとに、税理士の先生向けにセミナーを行うことがあります。
不動産の法人化や家族信託、相続対策などをテーマに話すのですが、
いつも強調するのは「どんなに良い対策でも、賃貸経営として成り立たなければ意味がない」ということです。
セミナーではなるべく包み隠さずリアルな話をするようにしています。
セミナー後の懇親会では、税理士の先生方から「賃貸経営のことは正直あまりわからない」とか
「資産税はリスクが高くてやりたくない」という話をよく聞きます。
やはり、資産税に精通するのはハードルが高いですし、「相続税ができる=賃貸経営に強い」
というわけではないんですよね。
これからの不動産経営は難しい時代へ
土地の値段が上がり、建築費も上昇、さらに金利まで上がっていくとなると、
これからの不動産経営はますます難しくなると感じています。
独立したばかりの頃は、「建てたほうがいいですよ!」とアドバイスすることがほとんどでした。
特に福岡市は不動産需要が強かったので、結果的にそれでうまくいくケースが多かったんです。
でも、最近は福岡市でも建築費が高騰し、将来的なリスクが無視できなくなっています。
「相続対策のために建てる」という選択肢が難しくなりつつあるのを感じます。
正直に「やめたほうがいい」と伝える
建設会社さんからの紹介で「建築を検討しているオーナー様がいる」と相談を受けることがあります。
でも、「この計画はやめたほうがいいですね」と伝えるのは、なかなか難しいことも…。
ただ、それでも私は**「やめたほうがいい」と正直に伝えることが大事だと思っています。
オーナー様の将来を考えれば、短期的な利益よりも長期的に見てリスクの少ない選択肢を選ぶべきだからです。
賃貸経営の税理士選びは慎重に
賃貸経営では税理士が重要な役割を果たします。
ですが、税理士の先生方は普段から確定申告や法人の顧問業務で非常に忙しいのが現実です。
そのため、不動産の法人化や家族信託、相続対策など、スピード感が求められる案件に手が回らない
という話も耳にします。
だからこそ、不動産や資産税に特化した税理士を探すことが大事です。
税理士なら誰でも不動産に詳しいわけではないので、慎重に選んでほしいと思います。
同業者の悪口を言うつもりはありませんが、これが税理士業界のリアルです。
皆さんも、不動産経営を進める際には、ぜひ自分の状況に合った税理士の先生を選んでくださいね。
これからも、正直な情報を発信していきたいと思っています。
令和7年1月22日 税理士 髙島聖也