不動産経営も経営には「商品3分に売り7分」
経営には「商品3分に売り7分」という考え方があります。
これは、商品自体も重要ですが、それ以上に「どのように販売するか」が
重要であることを表しています。
多くの経営者は「良いものを作ろう」と考えがちですが、
実際には「その商品が購入者にどのように役立つか」を伝えることがもっとも重要です。
これは不動産業においても同じです。
先日、ある関与先様からリノベーション費用が高いという相談があり、
当事務所が信頼する不動産会社を紹介し、リノベーション費用の見積もりを依頼しました。
その際、以前行われたリノベーション工事の内容を確認したところ、
台所の位置が変更されていました。
おそらく、人気の間取りに変更するための工事だったと思いますが、
管理会社は「ここまでする必要があったのか?」と感じていました。
この時、建設会社の担当者は自社の建築技術に注目しており、
工事による費用対効果を十分に考えていなかったようです。
これは建設会社が悪いというわけではありませんが、
不動産オーナーとしては、リノベーション工事や建築を企画する際、
建設会社の提案を3割、不動産会社の意見を7割の割合で考慮することが重要です。
もし、利益を考えない慈善事業をしたいのであれば別ですが、
相続対策として建築を行う場合でも、将来の利益がわずかであれば、
さまざまなリスクに対応できません。そのため、入居者に喜ばれる工夫を、
できる限りコストを抑えつつ行う努力が求められます。
令和6年8月31日 税理士 高島聖也