税理士の髙島です。
昨日(令和5年6月27日)の日経新聞に「マンション節税防止へ」
との記載があり、これが話題になっています。
令和5年税制改正にもマンション評価の見直しを行うとの記載があり、
もともと予定通りということで専門家での協議が行われており、
令和6年1月1日以降の適用を目指しているということのようです。
不動産の相続税評価についてですが、以下のようになっています。
①建物=固定資産税評価額
②土地=路線価評価(※)×共有持分割合
路線価評価と倍率評価二つありますが、都心部は基本的に路線価評価
今回の改正の中心問題は、この相続税評価額と実際の取引金額に乖離(差額)が
大きいこと(平均3.16倍)です。
相続税評価額は、評価の安全性を考慮して少し低めになるので、差があること自体
に問題はないのです。今回の日経の記事にもあったように戸建ての評価乖離の平均値は
1.66倍となっています。
評価に乖離があり、それが節税として横行しすぎてしまったことに問題があるのではないでしょうか。
少し調べたところ1997年(平成9年)に建築基準法の改正が行われ、積極的にタワーマンションの
建築が行われるようになったようです。
昨今の低金利により自分で住む方や、投資用としても人気のためどんどん建築が行われました。
個人的にはこんなにいるかなぁと思ってしまいますが。
最後に不動産オーナーとして気を付けておきたいポイントを解説しておきたいと思います。
①相続税対策だけを考えた不動産投資はとても危険
節税になると思ってマンション購入したが、改正が行われ対策にならなった場合には
とても損をしたような気持ちになってしまいます。
それをきっかけに家族が不幸になることもありますので、注意が必要でしょう。
②タワーマンションという不動産はまだ未知の部分が多い。
相続対策になると思ってマンション経営をスタートした方は、
入退去時の修繕費やエレベーターの取替費用、外壁塗装費用と様々な費用に
頭を悩ませています。
不動産をたくさん持っていて資金的に余裕があるという方は別にして、
一般の方が手を出すべきでないというのがマンション経営では出てきました。
タワーマンションは区分所有でしょうから、費用面で困るということはない
と思いますが、長期で使用していく中で、修繕積立金の増加や人口減少による
空室の増加、立地によっては時価の大幅な下落などが予測も考えられるかと
思います。
今回はマンション節税防止へとの記事をみて思うところを書かせていただきました。
この改正が施行された場合には、不動産価格に大きな影響があることが予測され、
その議論も行われています。
また、タワーマンションに限らず、一般の賃貸マンション評価にも影響がある可能性が
あることから、今後も改正については注視していきたいですね。
令和5年6月28日 税理士 高島聖也