不動産賃貸経営において、財務の視点から考えると、重要な3つの指標があります。
まず1つ目は「安全性」です。
何が起きても安定した経営を継続できる体制を整えることが求められます。
そのためには、「自己資本比率」や「自己資本額」といった指標が重要となります。
外部資金への依存度を抑え、内部留保を厚くすることで、経営の安定性を確保します
次に「収益性」です。
収益力の強化は経営の根幹であり、売上高に占める利益の割合、つまり利益率を高めることが求められます。
また、総資本からどれだけ効率よく利益を生み出せているかという視点も重要です。
資本効率を意識した経営が、収益性の向上に直結します。
そして3つ目が「成長性」です。
これは、将来に向けて売上や利益を持続的に拡大できる力を意味します。
たとえ小さなステップでも、継続的に売上を伸ばしていく姿勢が重要です。
成長の手段としては、家賃の引き上げ、空室改善による稼働率の向上、
物件数の増加、新築・建て替えの実施、土地取得による資産形成など、多様な戦略が考えられます。
こうした成長戦略を進める中で、財務的な安全性をどう保ち、借入依存度をどう下げていくかも重要な検討課題です。
「自己資本比率」や「債務償還年数」などの指標を見ながら、健全な成長を目指す必要があります。
これら「安全性」「収益性」「成長性」の3つの指標のバランスを考慮しながら、
今の時代に適した経営戦略を構築していくことが求められています。
経営における目標とは、単なる利益の追求ではなく、「生き残りの条件」を整えることでもあるのです。
福岡市では近年、土地価格が上昇し、相続税の課税強化により、相続税の負担が一層重くなっています。
こうした環境を踏まえ、自社がどのような方針で戦略を立てるかを見極めていく必要があります。
私自身も現在、新築企画のお手伝いをしておりますが、各方面から情報を集め、
不動産経営者一人ひとりに合った戦略を共に組み立てていく支援を行っています。
管理会社やハウスメーカーと打ち合わせを重ねる中で感じるのは、
「戦略的な視点」を持って本質的な提案をしてくれる会社が非常に少ないという現実です。
また、不動産経営者によって最適な戦略は異なるため、誰か任せではなく、
不動産経営者自身が主体的に判断して選び取る時代になってきたと強く感じています。
加えて、建築費や資材価格の高騰といった影響の中、
ハウスメーカー各社も自社の生き残りをかけて提案を行っています。
その中で、不動産経営者が冷静に情報を整理し、
自社にとって本当に必要な提案を見極め、取捨選択していくことが重要です。
令和7年3月25日 税理士 髙島聖也