「差別化」って本当に必要?不動産オーナーが考えるべき"差別化の本当の意味"
こんにちは!不動産経営のサポートをしている髙島です。
今回は、**「不動産建築における差別化」**についてお話ししたいと思います。
不動産建築の提案を受ける際、ハウスメーカーや建設会社から
「他の物件と差別化を図りましょう!」と言われた経験はありませんか?
「差別化すれば入居者に選ばれますよ!」
「このエリアの物件にはない設備をつければ差がつきますよ!」
たしかに、他の物件と差別化ができれば、入居者に「選ばれる物件」になる可能性は高まります。
でも、ここで一つ考えてほしいのが、**「何のための差別化なのか?」**ということです。
■ ありがちな「差別化」の提案内容
建設会社からの差別化提案の一例を挙げてみます。
エレベーターの設置:他の物件にはついていないが、この物件にはつけましょう!
ラウンジの設置:他の物件にはない共用ラウンジを設けましょう!
ZEH(ゼッチ)の導入:他の物件が取り入れていない環境に優しい省エネ仕様を採用しましょう!
どれも一見すると「おお、すごい物件ができそうだ!」とワクワクする内容ですよね。
でも、ちょっと待ってください。
これらを取り入れるとどうなるか、冷静に考えてみましょう。
■ 差別化が生む「隠れたリスク」
豪華な設備をつけると、当然建築費が高騰します。
エレベーターの設置費用、維持管理費、ZEHの導入コスト、ラウンジの内装工事費…、どれも安くはありません。
「でも、その分家賃が高く設定できるんでしょ?」
その考え、危険です。
たしかに、設備を増やせば「高級感」をアピールできますが、
周辺の相場を無視して高い家賃設定ができるわけではありません。
家賃はエリア相場に引っ張られるのが現実です。
どんなに豪華な設備をつけても、入居者がその家賃を受け入れてくれる保証はありません。
結果的に、建築費が高騰したのに、家賃は想定通り上がらず、
利益が減るというケースが発生してしまうのです。
令和6年12月24日 税理士 髙島聖也