不動産経営を成功させるためには、いくつかの目標を設定する必要があります。
その中でも「財務状況を改善したい」という願望は非常に重要です。
リーマンショック以降、金融緩和の影響で、借入に依存した
不動産投資が増加しました。
「不動産を持てば儲かる」「不動産を持てば幸せになる」と考える方も多いですが、
私の経験では、不動産を所有することで逆に不幸になるケースも少なくありません。
不幸になる方に共通しているのは、「安心できる財務を維持したい」という
意識が不足していることです。
財務状況を改善したいのであれば、まず簿記や会計の基礎を
理解することが大切です。税理士に相談したり、
簿記の専門学校に通ったりする方法がありますし、
最近ではYouTubeなどを活用して学ぶこともできます。
現在の財務状況が良くないとしても、「将来的には必ず改善する」
という強い願望がなければ、財務内容は良くなりません。
また、不動産オーナーには相続税という大きな課題もあります。
これを家族と一緒に乗り越えるためには、適切な資産配置を
行うための高度な知識が必要です。税理士に全てを任せる方もいますが、
まずは自分自身でできることを考え、それを踏まえた上で相談することが重要です。
少々厳しい言い方になりますが、成熟した現代において
不動産経営を継続するには、それだけの難しさが伴っています。
しかし、財務の知識を身につけることで、現状を冷静に分析し、
次の一歩を計画できるようになります。
まずは、そうした思考を持てる環境を整えることが大切です。
帳簿を全て税理士に丸投げしている不動産オーナーも多いですが、
これでは経営者としての実力はつきません。
将来、適切な建物管理を行うには多額の資金が必要です。
だからこそ、家賃の見直しや経費削減を検討しなければなりません。
また、経費をかける場合でも、それが効果的な支出であるかを
よく考える必要があります。
建物を建てる際も、入居者が喜ぶポイントを最大限にしつつ、
無駄なコストを削減する建築プランを練るべきです。
これらを実行するためにも、財務知識は不可欠です。
財務に苦手意識を持っている方もいますが、
少しずつ努力を積み重ねればレベルアップできます。
何より大切なのは、「将来、安全で健全な財務状況を作りたい」という
強い意志を持つことです。
令和6年9月19日 税理士 高島聖也