日本人は「節税」という言葉が非常に好きです。
少しでも税金を少なくしたいという思いから、
さまざまな努力を重ねている方が多いです。
しかし、いつの間にか税金を減らすことが目的となり、
その結果、かえって不幸せになってしまう方もいます。
ここで知っていただきたいのは、
税金にはさまざまな種類があるということです。
身近な例として、不動産を所有している場合の「固定資産税」が挙げられます。
これは、不動産を所有している限り課税されるため、
節税が難しい税金です。
このような場合は、節税を考えるよりも、
固定資産税以上の収入を得る方法を考える方が賢明でしょう。
次に、「所得税」や「住民税」についてです。
これらは個人の所得に対して課税される税金です。
これらを節税しようとすると、結果として手取り収入が少なくなる可能性があります。
一方で、「青色申告特別控除」のように、支出を伴わない節税方法は積極的に活用すべきです。
また、会社の利益に対して課税される「法人税」も重要です。
法人税を支払わなければ、会社の財務基盤が弱くなってしまいます。
したがって、納税を通じて会社の体力をつけていくことが重要です。
このように、税金には納税しないと手取りが増えないものや、
納税しないと会社の将来性が失われるものもあります。
こうした税金については、節税を目指すのではなく、
むしろ多く納税する努力が必要です。
さらに、納税を一つの目標として設定することも有意義です。
これは個々人の考え方に依りますが、節税に固執する方に限って、
大きな納税ができていないことが多いです。
納税後に残るお金が、生活に使える資金であるという考え方も重要です。
納税を通じて、家族の生活が豊かになり、さらに地域社会への貢献にも
つながるということを理解していただければと思います。
令和6年8月27日 税理士 髙島聖也