3階建てのアパートにエレベータは必要か?

現在、不動産建築の相談を5件ほど受けています。

ここ数年の建築費の高騰により、賃貸経営で収支を合わせることが非常に

難しくなっています。

また、金利も上昇しており、不動産業界全体が厳しい状況に

向かっているように感じます。

一部の地域では家賃が上がってきていますが、

建築費の上昇には追い付いていません。

それでも、相続対策や土地活用を考慮する必要がある

お客様と共に、建築の計画を進めています。

現在、検討中のアパートでは、3階建てにエレベーターを設置する

提案が出ています。

エレベーターの設置には当然コストがかかりますが、

3階建ての場合、法律上の義務はありません。

しかし、入居対象者がファミリー層である場合、

ベビーカーや買い物袋を持って階段で3階に上がるのは大変です。

高価格帯の家賃設定で分譲マンションと競争するのであれば、

エレベーターは必要だと思います。

一方で、若い単身世帯を対象にするのであれば、

3階まで階段を使うことに抵抗は少ないでしょう。

以前、エレベーターなしの築40年の5階建てマンションで、

5階に空室が出たことがありました。

入居募集に苦労するかと思いましたが、

すぐに入居が決まりました。

入居者の方はスポーツインストラクターです。

彼は「5階までの階段が運動になる」という理由で入居を選んだのです。

このような特殊なケースもありますが、建築戸数が少なければ、

少ないニーズでも十分に戦うことができます。

競争が激化する中で、自分の物件を魅力的にするためには、

建築コンセプトをしっかりと決め、そのコンセプトに

本当に必要な設備や要素を取り入れることが重要です。

意識しないと、ついつい重装備になりがちです。

「これの設備は本当に今回の建築コンセプトに合っているだろうか。

この設備によって入居者は多少家賃が高くても入居を決めてくれるだろうか」

といった視点を、不動産オーナー自身が持つことが大切です。

  令和6年8月23日 税理士 高島聖也

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