税理士の髙島です。
近年、土地価格が上昇したことによって土地の路線価も上昇しています。
福岡についてはもう少し上昇が続くのではないかと思っています。
特に福岡市中央区や博多区など中心部の上昇率は高く、
私の開業した8年前に比べると2倍近くまで上昇した地域もあります。
相続対策のご相談を受けるうえで試算する相続税額も
高額になっており、中には将来の相続税が数億円という方もいらっしゃいます。
一般の方からすれば所有している資産の評価が上がるということは
喜ばしいことです。
しかし、不動産を守っていくということに関して言えば、
それにかかるコスト(相続税)が増加してしまい、
引き継いでいくことが困難になっているのではないかと考えさせられてしまいます。
よく会社の自然の流れは破産といいます。
つまり何もしていなければ倒産してしまうということです。
これを地主オーナーのケースに変えて考えれば
何も考えずに経営をしていると不動産を手放してしまうのが自然の流れなのではないでしょうか。
ここでぜひ考えてほしいことがあります。
それは費用(相続税)の削減も大切ですが、収入(家賃収入)をいかに増やすことができるかという
視点が今後は大切になってくるということです。
相続は20年~30年おきに発生します。
その都度、相続税の支払いができれば、不動産は守っていくことが出来るのです。
例えば、マンションを建設したとして、お父さんの相続税は対策になったとします。
その25年後に息子さんの相続が発生します。
その時に仮にこのマンションに係る相続税が5,000万円だった場合には、
5,000万円÷25年=200万円。
つまり1年あたり200万円手取りが残るマンションであれば、不動産を守っていく
ことが出来るのです。
ただ、このマンションに係る所得税・固定資産税・修繕費・取壊し費用の問題など
実際は手取りを考えた経営が出来ている不動産オーナー様は少ないのではないでしょうか。
また、相続財産が1億円の方と相続財産が10億円の方では、
相続税率も違いますので、これも考慮しながら今後の不動産賃貸経営を考えていく
必要があるのでしょう。
儲かっている不動産オーナーと損している不動産オーナーの違いは
儲かる仕組みを作れているかどうかによって決まっています。
ぜひ将来の数字も考えた不動産経営をしていただければと思います。
令和4年1月24日 税理士 高島聖也