税理士の高島です。
いきなりですが、ご質問です。
確定申告書の貸借対照表について
どのくらいチェックされていますか?
皆さん毎年の税金を安くしたいということは
考えられるのですが、
不動産事業を安定して続けていくためには
貸借対照表の見方を理解する必要があります。
私も不動産オーナー様の決算書を見るときには
貸借対照表を
確認するようにしています。
貸借対照表をみると、その方の現状と将来が
理解することができます。
次の貸借対照表は黒字倒産リスクが非常に
高い貸借対照表です。
皆さま気づかれましたでしょうか?
こちらの貸借対照表は何がまずいのでしょう。
具体例を設けて説明したいと思います。
建設したときは、借入金が2億円で建物を
2億円で建てたのです。
それから15年が経ちました。
借入金は1億2000万円に減りました。
この時に大切になるのが、
資産が1億2000万円残っているかと
いうことです。
資産は建物の帳簿価格が9,000万円
残っていたとします。
すると借入金との差額が3,000万円あります。
差額は預金で残っている必要があります。
もし残っていなければ、利益以上にお金を
消費してしまっていることになります。
消費してしまった理由はいくつかあるでしょう。
①儲けだと思って使ってしまった。
②相続時に相続税の納税に使ってしまった。
③ほかの相続人が相続した。
このほかにもあるでしょうが、上記の理由が多いいように思います。
さて、このような貸借対照表になった場合には、
納税をしながら借入金の
返済をしていくことになります。
貸借対照表がオーバーローンになって
しまっているのです。
実は個人経営の場合にはこれに気付かない人が
多くいます。
税理士も損益計算書は確認をするのですが、
貸借対照表をチェックする
という方は少ないようです。
貸借対照表のバランスを考える。
不動産経営者として身に着けておきたい
感覚ですね。
令和2年6月15日 税理士 高島聖也