サブリース会社とハウスメーカーの関係は良くない?

一般的に、ハウスメーカーが建築を行った場合、管理業務を自社の関連管理会社に依頼することが多くなります。

これは、今後建設工事の受注が減少し、管理業務による収入がより重要になってくるためです。

ストックビジネス(管理業務を通じた継続的な収益)が、ハウスメーカーの新たな戦略の柱となっています。


ハウスメーカーとサブリース会社の関係

ハウスメーカーの営業担当は、まず建築の契約を取り、

その管理をサブリース会社(特に自社の関連会社)に依頼する流れになります。

しかし、ここで問題が発生することがあります。

サブリース会社の立場からすると、以下のような物件の管理は避けたい傾向にあります。

• 高すぎる家賃設定 → 入居者が決まりにくく、空室リスクが高くなる
• 管理しづらい物件 → 立地や仕様が市場ニーズに合わず、運用が難しい

しかし、ハウスメーカーの営業担当は建築契約を取るために、

オーナーに対して「高い家賃設定でも大丈夫」と強気の提案をすることがあります。

なぜなら、建築費を削減しても収支改善の効果は限定的ですが、家賃を高く設定すれば、

収益に直接的な影響を与えるからです。

その結果、市場相場よりも高い家賃設定で契約を進めた場合、

実際に管理を担当するサブリース会社が苦労することになります。

入居が決まらず、想定した賃料収入が得られないと、サブリース会社の収支に悪影響を与えるためです。

このような状況が繰り返されることで、ハウスメーカーとサブリース会社の間には摩擦が生じ、

必ずしも良好な関係とは言えないケースもあるのが実情です。


不動産オーナーが知っておくべきこと

もちろん、すべてのハウスメーカーとサブリース会社の関係が悪いわけではありません。

しかし、このような業界の実態を知った上で、サブリース契約や管理会社の選定を慎重に行うことが重要です。

「大手だから安心」と安易に考えるのではなく、実際の管理内容や家賃設定が適切かどうか、

自分でしっかりと情報を収集し、判断することが求められます。

 

 令和7年3月7日 税理士 髙島聖也

 

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