環境に配慮した不動産活用を考える

福岡市の夏の平均気温は、過去20年間で明らかに上昇しています。

約20年前の2000年代初頭には、福岡市の最も暑い月である

7月と8月の平均気温は約28°Cでした。

しかし、最近の2020年代のデータでは、夏の平均気温が約30°Cに上昇し、

特に暑い日には35°Cを超えることもあります。

この気温の上昇は、地球規模で観測されている気候変動の影響と一致しており、

福岡市の夏は以前よりもさらに蒸し暑く感じられるようになっています。

その結果、冷房の需要が増加し、高齢者をはじめとする脆弱な人々の

健康への影響が懸念されています。

温暖化の原因は人間の活動にあり、これを改善していくためには、

国家的・国際的な取り組みが必要です。

しかし、各人がその理由を理解し、できることを実践するという

意識も非常に重要です。温暖化の原因は以下の通りです。

 ①温室効果ガスの増加

 ②森林破壊

 ③工業活動と都市化

上記の温暖化の対策

 ①再生可能エネルギーの利用促進
  太陽光、風力、水力、地熱などの再生可能エネルギーを利用することで、

  化石燃料の使用を減らし、CO2排出量を削減します。

 ②エネルギー効率の向上
  家庭やオフィス、工場などでのエネルギー効率を高めることで、

  消費エネルギーを削減し、CO2排出を抑えることができます。

  たとえば、省エネ家電の使用や断熱材の導入、エネルギー管理システムの利用が効果的です。

 ③森林の保護と再生
  森林を保護し、新たに植林を行うことで、CO2吸収能力を高め、温暖化の進行を遅らせることができます。

 ④持続可能な農業と食糧システムの推進
  農業からの温室効果ガス排出を減らすため、土壌の健康を保ち、メタン排出を抑える農法や食料廃棄の削減が推奨されます。

 ⑤交通手段の見直し
  公共交通機関の利用促進、自転車や徒歩の奨励、電気自動車の普及などにより、交通からのCO2排出を削減します。

 ⑥国際的な協力と政策の強化
  各国が協力して温室効果ガスの排出削減目標を設定し、その達成に向けた政策を実施することが重要です。

  パリ協定などの国際的な合意がその一例です。

 □一人一人の取り組みが大切

「自分たちさえ良ければそれでいい」という考えではなく、最近ではゼロエネルギーハウス(ZEB:ゼッチ)

 などの取り組みも進んでいます。

 もちろん、これには費用がかかりますが、いずれ多くの人々が

 こうした取り組みを行う社会へと変わっていくでしょう。

 また、金融機関による融資においても、環境問題への取り組みが条件となる時代

 が来るかもしれません。

  例えば、環境問題への取り組みを差別化の要素として取り入れることも大切です。

  現在では、ペットボトルが環境に悪いという意識を持ち、水筒を持ち歩く若者が増えています。

 このように、環境意識の高い若者向けに賃貸不動産を企画するのも一つの手です。

 例えば、エネルギー消費を抑える工夫を取り入れたアパートの設計や、

 自然を生かした不動産活用、駐車場のスペースを減らし、タイムズやメルチャリのような

 シェアリングサービスを設置するなどのアイデアがあります。

  また、環境問題に取り組む団体との連携を強化し、そのようなコミュニティを定期的に

 開催することでも差別化が図れます。

 ぜひ皆様も、環境への意識を高め、自社の不動産経営において取り組むべきことがないかを考えてみてください。

     令和6年8月22日 税理士 高島聖也

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