元請け事業と下請け事業の違い

元請け事業と下請け事業では、経営の仕組みが異なります。

元請け事業は、一般の顧客や企業から直接仕事を受注するため、営業活動が必要になります。

そのため、営業担当者を採用し、商品やサービスを分かりやすく説明しながら、

顧客のニーズに応えていくことが求められます。

営業努力を重ねながら、会社の仕組みを構築していくことが重要です。

一方、下請け事業は、元請け会社からの仕事の受注が主となるため、

自社で営業活動を行う必要はほとんどありません。

その分、現場作業に集中できるメリットがあります。

しかし、直接顧客と接する機会が少ないため、

市場のニーズや顧客対応についての情報を得にくいという側面もあります。

そのため、下請け会社の社員は主に作業服を着用し、スーツを着る機会は少ない傾向にあります。

このように、建設業においても元請けと下請けでは経営の仕組みが異なりますが、

不動産管理会社についても同様の違いが見られます。


不動産管理会社の経営モデル

不動産管理会社には、サブリースをメインとする会社と一般管理をメインとする会社の2種類があります。

【サブリース会社の仕組み】

ハウスメーカー関連のサブリース会社は、オーナーから物件を一括借り上げし、

自社が家主として入居者に賃貸する形を取ります。

そのため、家賃の設定などはサブリース会社が主導し、オーナーとのやり取りは最小限で済みます。

オーナー対応が必要になるのは主に修繕関係に限られ、家賃設定や入居に関する相談は基本的に不要です。

このような仕組みのため、大手企業はサブリースを活用し、人件費を抑えながら事業を展開する傾向にあります。

【一般管理会社の仕組み】

一方、一般管理をメインとする会社では、オーナーが物件の所有者であり、その管理サポートを行うのが主な業務となります。

そのため、オーナー担当者を配置し、オーナーと頻繁にコミュニケーションを取る必要があります。

このモデルでは、オーナー対応に時間がかかるため、人件費が高くなりやすい傾向があります。

そのため、効率的な経営を行うには、特定のエリアに集中し、

地域のオーナーに満足してもらえるサポート体制を整えることが重要です。

管理エリアを広げすぎると、物件は増えてもオーナー対応が不十分になり、

結果として管理品質が低下する可能性があります。


不動産オーナーが考えるべきこと

不動産オーナーにとって、自分にとって最適な管理会社を選ぶことが重要です。

「この会社が良い」と言われても、それが自分の目的に合っているかどうかを見極めることが必要です。

サブリース会社と一般管理会社、それぞれの特徴を理解し、

自分の不動産経営にとってどちらが適しているのかをしっかりと考えることが大切です。

 

 令和7年3月5日 税理士 髙島聖也

 

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