令和7年を迎え、金利上昇局面がますます進行しています。
金利が上昇すると、借入金の利息負担が増えるため、
借入に依存している不動産オーナーにとっては厳しい状況になってくるでしょう。
しかし、この影響を受けるのは自社だけではなく、同業他社も同じ環境に置かれます。
そのため、経済状況や市場の動向を冷静に分析しながら、
自社がどの程度の金利上昇に耐えられるのかをチェックすることが重要です。
自己資本比率を確認し、投資の安全性を見極める
令和6年のTKC経営指標(BAST) によると、黒字企業の平均的な自己資本比率は 27.5% となっています。
具体的には、
自己資本 8,000万円 ÷ 総資産 約3億円 = 27.5%
という水準です。
この数値を参考に、自社の自己資本比率が適正なのか、過剰な投資をしていないかを確認しましょう。
約 4分の1 の資産が自己資本として確保されているのが平均的な目安と考えられます。
金利動向に応じた経営戦略の見直し
不動産賃貸経営は 金利の動向と密接な関係 にあります。
• 低金利のとき → 積極的に投資し、資産を増やしながら利益を高める
• 金利上昇局面 → 経費が増加し、リスクも高まるため、自己資本を厚くして経営の安定性を確保する
現在のような金利上昇局面では、利益率の低い資産や、売却益を確定できる資産を整理し、
自己資本比率を高めることが重要になります。
企業の目的は「生き残ること」
企業の目的は、単に売上や利益を増やすことではありません。
最も重要なのは、「生き残ること」 です。
賃貸経営を長期的に安定させるためにも、現在の金利環境に合わせた経営戦略を見直し、
過剰な投資になっていないかを慎重にチェックしていきましょう。
令和7年2月19日 税理士 髙島聖也