今年も確定申告の時期となりました。
申告を進める中で税務上の確認だけでなく、「経営がうまくいっているか」という視点でもチェックを行っています。
不動産オーナーの中には、順調に経営を進めている方もいれば、まだ改善の余地がある方もいらっしゃいます。
その違いを比較すると、
「不動産賃貸経営の仕組みづくりやシステム構築を意識しているかどうか」
が大きなポイントになっているように感じます。
不動産経営では、家賃収入から経費を差し引いた利益が最終的な成果となります。
その際、特に重要なのは**「家賃収入(売上高)が総資産に対してどの程度の割合を占めているか」**です。
この比率をしっかりチェックすることで、経営の効率性を測ることができます。
例えば、売上高 ÷ 総資産 の比率を算出すると、黒字企業の平均値と比較することが可能です。
BAST(TKC経営指標) によると、令和6年の黒字企業の平均は 15.6% です。
具体的には、
4,597万8,000円 ÷ 2億9,362万5,000円 = 15.6%
という数値が示されています。
また、経営のシステムづくりを考える際には、
売上総利益は「資本の力 × 人の力・知識の力」で決まる
という点も重要です。
「資本の力」を短期間で増やすのは難しいですが、「人の力・知識の力」は努力次第で向上させることができます。
したがって、売上や利益を増やしていくためには、単に管理を他者に任せるのではなく、
自社でしっかりとコントロールできる経営へとシフトする意識が求められます。
この機会に、ご自身の経営状況を振り返り、
改善できるポイントをチェックしてみてはいかがですか。
令和7年2月12日 税理士 髙島聖也