「大手だから大丈夫」という発想は、今すぐ改める必要があります。
大手ハウスメーカーが建築した建物がすべてにおいて優れているとは限りません。
なぜなら、大手ハウスメーカーは自社の戦略を持ち、
自分たちが有利になる建物を建てることには長けていますが、
不動産オーナーがどのように賃貸経営を進めていくべきかについては
深く研究していないケースが多いからです。
さらに、大手ハウスメーカーで働く社員は営業マンであり、いわゆるサラリーマンです。
そのため、戦略と戦術の違いや、「弱者の戦略」と「強者の戦略」の違いを
理解している人は少ないのが現状です。
自社の戦略が唯一無二だと考え、それをそのまま不動産オーナーに提案することが多いですが、
その戦略がオーナーの状況に最適なものかどうか、慎重に検討されていない場合があります。
例えば、私の事務所の近くにある「KITTE博多」というビルがあります。
館内に入るとお客様の数が少ないことに気付くでしょう。
この現象を戦略的な視点で考えれば理由がわかりますが、
戦略を知らなければ「なぜだろう」と疑問を抱くだけです。
皆様も、成功した物件の事例を見るだけでなく、失敗した物件がなぜ失敗したのか
という視点で考えてみてはいかがでしょうか。
これは、不動産業だけでなく、すべての業種に共通して学べる点があると思います。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
令和7年2月12日 税理士 髙島聖也