不動産オーナーの認知症対策、家族に財産を託す

認知症、家族に財産託す


本日(令和6年8月31日)の日経新聞に「認知症、家族に財産を託す」

というタイトルで家族信託に関する記事が掲載されていました。

日経新聞にはこのような記事が定期的に掲載され、

認知症対策として一般の方への周知が進んでいる一方で、

専門家(税理士、司法書士、弁護士など)の家族信託への

取り組みはあまり進んでいないように感じます。

 

税理士は日々の業務に追われてしまっている。


特に税理士は、日々の税務申告に追われており、

信託税務に触れる機会が少ないですし、

信託契約書すら見る機会がほとんどないのではないでしょうか。

しかし、家族信託を検討しなければならないケースは実際には

かなり多いと私は考えています。それは、誰もが必ず老いていくからです。

現在は問題なくても、やがて認知症が進行する可能性は避けられません。

 

家族信託は身近な対策


先日も、ある息子さんから「父の少しずつ物忘れがひどくなってきている」

という話を聞き、司法書士にも同席してお父さんに会ってきました。

お父さんは質問に答えることができていたので現時点では

問題ないと思いましたが、将来的には徐々に判断能力が

低下していくのではないかと感じました。

今回お会いした理由は、現在、自宅とアパートの建て替えを検討しており、

これには長ければ2年程度かかるため、その間にお父さんの

意思判断能力が保たれるかどうか心配があったからです。

息子さんには「今は大丈夫だと思いますが、もし認知症が

進むようでしたらすぐに教えてください」とお伝えしました。

 

公正証書による家族信託のハードルは上がっている!


今朝の記事では、公正証書での作成を推奨していましたが、

最近では公証人の意思判断や信託契約への理解度チェックが

厳しくなっているように感じます。

これは後々の紛争を防ぐためには当然の措置ですが、

何とか信託契約を作成したいと願う家族にとっては高いハードルとなる場合があります。

 

相続対策のかかりつけ医の役割


家族信託などの相続対策を進める中で、

税理士には不動産オーナーにとっての「かかりつけ医」

としての役割が期待されていると思います。

意思判断能力の低下によって資産活用が難しくなるリスクは

どの家庭にも存在します。

このリスクをしっかりと把握し、適切に対処できる専門家が

増えていくことを願うばかりです。

    令和6年8月31日 税理士 高島聖也

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