信託内借入における相続税対策の注意点

税理士の髙島です。

信託契約設定後に受託者が行った借入金は

債務控除ができるのか?

一部の司法書士などの専門家を中心に

この点については議論が行われてきました。

現在している相続税申告案件のうち

信託設定後に受託者が借入を行い、

賃貸用不動産を建築後に受益者がなくなり、

残余財産帰属権利者が取得するという

事案を行っています。

スタートは信託は何でもできる!という

イメージが多かったのですが、

やはり細部は注意しなければいけない論点が多くあることが

わかりました。

①信託終了時に債務の承継に関する条項を入れる必要性

②信託内借入がある場合、現行の相続税法においては、

 残余財産帰属権利者としての承継ではなく、受益者としての承継をした方が好ましい。

③負担付遺贈に該当するため、みなし譲渡の検討が必要

④信託終了時は委託者の権利についての取り扱いによって、

 不動産取得税及び登録免許税が通常通り課税される。

やはり新しい制度には、難しい論点がたくさんあります。

医師の世界に、専門分野があるように税理士業界も専門性を持ってやっていかなければ

「リスクが高くて、手が付けられない」ということになってきていると

実感した次第です。

私の事務所は土地持ちの地主オーナーが多くいるため、この論点点から

逃げることはできません。

どのようにしていけば、不動産を守り、次の世代に

良い形で引き継ぐことができるのか。

借地権、法人設立時の建物時価、同族間の株式移転価格、家族信託の税務

など難しい論点は多くありますが、テーマを絞って、

不動産経営者と一緒に新しい事業承継の形を作り上げていければと

思います。

   令和2年11月4日 税理士 髙島聖也

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