税理士の高島です。
福岡は今日から緊急事態宣言が解除されました。
ただ、コロナ発生前の生活に急に戻るということは難しそうです。
「新しい生活様式」の中で、安全を保ちつつ、経済活動を
行っていくということになるのでしょう。
さて、今回は「家賃減額に対する対応」
ということで、私が関与先様に伝えていることを、
お伝えできればと思います。
私の関与先でも
「家賃を減額してほしい」という相談が徐々に出てきております。
「3か月の20%減額してほしい」
「半年の50%減額してほしい」
「とりあえず減額を検討してほしい」
など、そのテナントそれぞれなのですが、
この時にやはり考えなければいけない視点として
3つあると思います。
まず1つ目が、入居しているテナントについてです。
本当にコロナウィルスの影響で、経営が厳しくなっているのかどうかです。
便乗値下げ的なお願いをしてくるところもありますので、
情報を正しく整理して、見極める必要があります。
そして、経営悪化を受けて、さまざま制度を活用して、
それでもだめだから家賃の減額を依頼してきているかどうかです。
国の施策として「雇用調整助成金や持続化給付金、福岡市の家賃補助」など
給付型の制度もあれば、特例的な借り入れ制度も今はあります。
通常であれば、借りられないけれどコロナウィルスの影響で
経営悪化しているところについては、できる限りの融資が取り組まれています。
そのような制度を活用し、テナント側としての努力をしているかどうかを
チェックする必要があります。
次に2つ目ですが、仮にテナントが退去した場合の経済の状況です。
飲食店に賃貸していたが、テナントがコロナウィルスの影響を受けて
退去した。
まだウィルスの終息が見込めない状況で、次の入居が決まるかわかりません。
このようなケースの場合には、次の入居が決まらないというリスクは
考えておかなければいけません。
仮に、今のテナントが退去したとしても、もっといい条件で
賃貸できるのであれば、それも方法の一つとして検討すべきでしょう。
「そんなひどいことを。痛め分けできないのか」
と言われてしまいそうですが、
賃貸も経営です。
決められた条件の中で、賃貸経営をスタートした。
そして、情勢が変わったとした場合に、自社が取り組むべき
方法を考えていく。
これが経営だと私は思います。
当然、廃業していく企業もあるでしょう。
これが自然の流れです。
しょうがないのです。
最後に3つ目です。
自社の置かれている状況です。
借入金がないのであれば、問題ないようでしょうが、
ほとんどの不動産オーナーも借り入れをして経営をしています。
家賃の減額や退去があった場合に、自社にどのような影響があるか
を財務をベースに考える必要があります。
また、オーナーとして受けれれる支援策もあります。
現在、国会で審議されていますが、
固定資産税の減免や免除、そして持続化給付金など
を受けれれる場合には、それも織り込んだところで、
家賃減額に対応するというのも方法だと思います。
以上、長く書きましたが、この3つの視点で
今後のコロナウィルス後の出口として検討いただければと
思います。
令和2年5月15日 税理士 高島聖也