税理士の髙島です。
今朝の朝刊に『自社株承継信託で確実に』という特集が組まれていました。
現在、高齢化が進む日本の中で『認知症対策としての民事信託』の活用が
多く取り込まれています。
これは認知症になった場合には、法律行為が行えなくなるので、
不動産などの売却ができなくなることや、
新規の不動産建設も難しくなることです。
平成19年の信託法改正から10年以上経ち
ようやく普及してきた民事信託ですが、
実は様々な活用法があるのです。
それは『中小企業経営者の株式承継』です。
中小企業経営者の悩みは
『後継者選び』と『相続税対策』の
二点になるでしょう。
『子供はいるがまだまだ経営力が弱い』
だから株式を贈与していくのは難しい。
『後継者が決まっているが、株価が高すぎて贈与が進まない。』
など事業承継に関する問題点は多いいのです。
この時に活用していただきたいのが、『家族信託』です。
家族信託を活用すれば上記の問題点は
簡単に解決することができます。
■子供の経営力が弱い場合
子供の経営力が弱いうちは株式の権利部分(受益権)は
子供に贈与するが、名義部分については現経営者のままにしておく。
■株価が高すぎて贈与が進まない場合
この場合には、名義部分を子供に変更し、
権利部分(受益権)については、株価対策を行いながら
贈与を行っていく。
信託を活用すれば、承継に関する問題点もスムーズにいく場合が
多いいのです。
しかし、株式承継信託は進んでいません。
これは専門家の勉強不足によるものです。
中小企業経営者の身近な存在は税理士ですが、
税理士は毎月の決算や3月の確定申告など日々の業務に
追われ、なかなか勉強する時間がありません。
また、民事信託については司法書士が行う
業務だと思っていて、自分には関係ないと思っているケースが
多いいのです。
H31.2.16 税理士 髙島聖也