先日ご相談を受けた事項については、不動産所有会社を設立された方の共有の
問題になると思ったので書きたいと思います。
個人で所有していた不動産を会社に移す場合に、銀行からの借入金がある場合には
個人から会社に借り換えるイメージで不動産を移転します。
一方、個人に借入金がない場合には、会社が個人から不動産を買い取ることに
なるのですが、できたばかりの会社にお金はありません。
そのため、分割で代金を支払いますということで会社が個人から買うことになります。
会社側の処理
(建物)1億円 (長期未払金)1億円
個人側の処理
(長期未収入金)1億円 (建物)1億円
その後、個人に返済をしていくことになるのですが、
完済するまでには長い期間がかかります。
この間に相続が発生した場合には、この長期未収入金も相続財産に計上することになります。
この長期未収入金の処理としては以下のような対策が考えられます。
①返済
毎年、計画的に返済していく。
②免除
個人が会社に対して債務免除を行う。この場合には会社側で債務免除益が生じます。
かつ、株主が被相続人予定者以外の方の場合には、他の株主の方の株式評価が上昇したとして
贈与税の対象になります。気を付けましょう!
③債権贈与
債権を贈与することができます。この場合には、相続人に110万ずつ贈与するなどの方法が考えられますが、
後日、税務調査等で問題にならないよう書類や手続きを整備していく必要があります。
④資本への組み換え
この場合には、一度資本金を増加させ、長期未払金を返済するという方法をとる必要があります。
以上のように会社設立後もどのようにすれば将来がよくなるのか具体的な対策を実行していくことが必要になります。
H30.5.15 税理士 高島聖也